組織委員会メンバー紹介

(独)農業・食品産業技術総合研究機構
食品機能性研究センター長

津志田 藤二郎(つしだ とうじろう)

プロフィール 1950年 岩手県八幡平市生まれ
岩手大学農学部 卒業
岩手大学大学院修士課程終了 農学博士(名古屋大学)
農林省茶業試験場製茶第一研究室入所
農林水産省食品総合研究所 機能成分研究室 室長
(独)食品総合研究所 食品機能部 部長

現在は

(独)農業・食品産業技術総合研究機構
食品機能性研究センター長
(兼)食品総合研究所 食品機能研究領域長

(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品機能性研究センター長 津志田 藤二郎(つしだ とうじろう)

食品研究は人の命を守り、人の心を暖かく豊かに育むとの信念の上に立ち、世界に貢献する視点で発展させなければいけない。

 私は岩手県八幡平という岩手山(岩手富士)を南方に望む小さな町に生まれました。岩手県は、宮沢賢治や石川啄木といった個性ある作家を輩出しているのですが、むしろ私が若いころ興味を惹かれたのは、当時日本で最初にノーベル賞(物理学)を受賞した湯川秀樹博士のことでした。湯川博士の受賞が私をサイエンスの道に導くきっかけだったような気がします。サッカーをやったり、卓球をやったりと、普通の子供と同じ少年時代を過ごしましたが、ペーパー上で研究ができ、理論的に答えを見出せると思っていた物理学の魅力に強くひかれていたわけです。そのうち私は、難解だと気付いた物理学より、次第に大自然の主役である生物に興味を持つようになり、大学では農学部で植物生化学を専門とする分野に進みました。最初の職場であった農水省では茶業試験場で茶の旨味成分のテアニン、渋味成分のカテキン、あるいはカフェインといった成分の代謝と茶の品質との関係を研究、長く続けることになりました。その中でも、生葉のグルタミン酸がγ-アミノ酪酸に変化することを応用して開発したギャバロン茶は血圧を下げる効果という点で大変評価をいただきました。私はシンポジウムのテーマであるコメについて直接の専門家ではありませんが、日本人はコメを主食としたことで、世界一の長寿国になれたのだと思っています。米を基本にし、これにコレステロールや血糖の上昇抑制をする緑茶や大豆(豆腐など)、魚が加わり、食事バランスがうまく維持されてきたことが大きな要因だと思います。
今、特定保健用食品の認定を受ければ、コレステロール抑制や血糖値抑制など健康への効果を商品、広告、出版物で表示することができますが、野菜や穀類などの農産物で許可を得るのは難しく、生活習慣病の予防効果などを伝える基準が出来ていません。農業は地球環境を守るという大きなテーマにもつながっています。今回のシンポジウムが、これから食品研究を目指す若い人たちに、研究は人を守り、人のために行うという「生きる喜び」の上に立っているということを伝えられるような場であればと願っています。

趣 味: サッカー、卓球、音楽(歌を歌う)、エネルギー問題を考えたりすること。
和歌山では: 和歌山市に行ったことがないので、城下町を探索したいですね。
 

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