組織委員長の挨拶

シンポジウム開催 組織委員長 南條輝志男

 第二回国際シンポジウム「コメと疾病予防」が和歌山の地で開催される運びとなりました。
 食品の話題がつきない昨今、私どもが毎日のように食している「お米」に関して、医学や食品、その他工業での利用などの観点から、お米の有用成分を論じていこうとするシンポジウムを開催することは、非常に意義深いものと考えております。
 お米は、重要な食糧ですが、お米の有用成分は白米だけに含まれているわけではなく、多くは米糠にあり、その米糠から多様な有用成分が発見され、その機能や利用法が研究されています。これまでに、それらの成分が、メタボリックシンドローム、糖尿病、認知症、がんなどの発症予防に効果があることが、多くの研究者によって示唆されています。
近年、予防医学の重要性が再認識され、また、国のレベルでは特定検診制度が導入されるということもあり、食品の機能性についての研究が益々盛んに展開されるようになってきました。お米に関しても、様々なアプローチが行われ、単に疫学レベルにとどまらない、お米の成分の機能性や作用機序が明らかになりつつあります。医学以外でもお米の有用成分は着目されており、様々な製品に利用され、人々の暮らしを豊かなものにする研究が行われています。
 今回のシンポジウムでは、医学や薬学・農学・工学その他様々な分野の第一線でお米の成分を研究し、活躍しておられる国内外の先生方に多数ご参加いただき、最新の研究動向をご紹介いただいたり、現状の問題点を論じ合っていただき、将来の研究の方向性を定める場として、このシンポジウムを役立てていただければと願っております。加えて、お米の環境面での有用性や文化論にまでテーマを広げております。
 世界遺産の熊野古道や霊場高野山をはじめ、様々な史跡のある、日本のふるさと和歌山で、日本の主食「お米」の新しい未来を語り合える機会が持てることに大いなる喜びを感じております。
 みなさまと会場でお目にかかれることを楽しみにしております。

シンポジウム開催 組織委員長
南條 輝志男

 

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