京都府立医科大学大学院医学研究科 分子標的癌予防医学 教授
日本衛生学会副理事長
日本癌学会評議員
酒井 敏行(さかい としゆき)

1953年 和歌山県有田郡湯浅町生まれ
京都府立医科大学 卒業 医学博士
京都府庁衛生部保険予防課技師
ハーバード医科大学に留学(眼科学教室研究員)
京都府立医科大学 公衆衛生学教室教授
などを歴任

京都府立医科大学大学院医学研究科 分子標的癌予防医学 教授
日本衛生学会副理事長
日本癌学会評議員

私の生家は、和歌山県の湯浅町という醤油発祥の地で有名な町です。私が通った耐久(たいきゅう)高校は嘉永5年(1852年)に創設された全国でも有数の古い高校のひとつでした。そういう何となく古い歴史の風土と家庭環境に育ちましたので、少年時代から郷土の歴史的偉人でもある南方熊楠(みなかたくまぐす)の業績に強く関心を持ったり、バイオリンをずっとやっておりましたので、クラシック音楽に深く関わるなどして育ちました。3人兄弟では姉が医者になりましたが、弟を若くして骨肉腫で亡くしたことが自分をこの分野の医者の道に進ませたような気がします。専門領域である「分子標的癌予防医学」という言葉は、私が名づけた造語ですが、癌を標的にしてその原因分子である抑制遺伝子RBのデータをもとに食品成分の中から予防に有効な成分を見つけていく研究分野です。現在もRBを活性化させる成分の実用化を目指して食品企業などと共同研究で行ない成果を挙げています。治療に関しては、すでにそういう概念はあったのですが、予防に関しては私たちが初めて提唱しました。現在、コメ成分についての結果が徐々に出てきていますが、この食品分野の研究でコメは新しい対象なので世界的にみても、まだまだこれからといったところです。アジア地域はコメ文化の歴史がありますから、韓国やインドなどは欧米に比べて研究が大変進んでいます。今度の国際シンポジウムでは、そういった色んな国、地域の新しい情報に注目してみたいし、そういう交流が得られることを期待しています。
まだまだ発展途上のコメの研究分野ですが、もっとコメを客観的に見ることでコメジュースなどといった新しい機能性食品が開発されて、この領域が広がってくれることを願っています。
趣 味: | クラシック音楽(現在、熊楠の里・音楽コンクール運営委員会委員長)、バイオリン |
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和歌山では: | 時期的に美味しい魚(クエ)が食べたいですね。県民としては、湯峰温泉のようなところに皆様をお連れしたい気があります。 |