組織委員会メンバー紹介

日本医療栄養センター 所長

井上 正子(いのうえ まさこ)

プロフィール

東京都新宿区四谷生まれ
女子栄養大学 卒業
医学博士 管理栄養士
昭和大学医学部にて 生理学 学位取得
日本医療栄養センター設立
日本臨床・公衆栄養研究会 主宰
などを歴任

現在は

日本医療栄養センター 所長
北里大学保健衛生専門学院 臨床栄養学教授

日本医療栄養センター 所長 井上 正子(いのうえ まさこ)

健康を維持する食生活教育には、プラン、実践、結果の分析とそれを用いた指導が確実になされていくことが大切です。

 江戸時代には信州高遠藩主内藤家の屋敷として、戦後は国民公園として親しまれてきた新宿御苑から程近い四谷で、私は生まれ育ちました。小さい頃は、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、そして静かな冬と、四季折々に変化する御苑に家族で出かけるのが楽しみでした。様々な草花や動物とのふれあいが好きだった私はいつしか「獣医になりたい!」という夢をもつようになりました。しかし、進路決定の際に父に反対され、担任の先生の勧めもあって女子栄養大学に進学しました。卒業後は昭和大学医学部の生理学教室に入り、最初は電流刺激と人体のしくみについて研究を始めました。その後しばらくして食糧不足による偏った栄養状況が飽食に向けて急転換してゆく様子を体験し、臨床栄養学に興味をもち、今後の日本人の健康を支えるために、栄養士として自分にできることは何かを考え始めました。
 1963年頃から厚生省(現厚生労働省)老人福祉法により、健康管理の手段として健康診断が行われ、疾病の早期発見には大変役立っていましたが、検査中心の健診のため予防と改善の健康管理には不十分であることが気になっていました。学位取得後は栄養生理学を教えるかたわら、健康診断と同時に食生活教育を行うことが健診を活かす大きな対策になり、栄養士の職域も広がると考え、「食生活ウォッチング」という医師と管理栄養士が、個人に対して手書きの丁寧なアドバイスを継続して行っていく通信制の栄養指導システムを始めました。今年から始まった「特定健診・特定保健指導」は私が長年普及することを願ってきた栄養指導が制度化され、行政として働きだした確かなものなので非常にうれしく思っています。
 私は、コメは日本の気候や風土が作り上げた世界に自慢できる主食だと考えています。副食とのバランスがとりやすく食生活には欠かせない非常に重要な食品であると同時に、穀物としては上質の必須アミノ酸とたんぱく質を含んでいる優れた機能性食品だと思います。今回のシンポジウムでは、私が研究しているいくつかの植物性たん白食品の中で、コメのたん白質の栄養価や生理機能が抜きん出ていることを評価されることを期待しています。外国などからいらしていただく方々が、日本人の長寿と健康の維持を助けているのがお米であることを認識し、さらに興味を持っていただければ幸いです。

趣 味: 読書、旅行など
和歌山では: 1) 柿、みかんなど果物がたいへんおいしいですね。JA和歌山県農協連の郷土ブランドとして「柿みかんジュース」のレシピ作りをお手伝いしたり、伊都振興局主催の「黒豆レシピコンテスト」の審査に参加させていただいたりしましたので親しい感じがしています。
2) 高野山の宿坊では、毎回般若心経の写経をさせていただいていますので、今回も希望しています。
 

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